こんにちは。松山市余戸、伊予鉄郡中線「余戸駅」より徒歩12分にある歯医者「おひさま歯科クリニック」です。
親知らずは20歳前後で生えてくることが多い歯で、正式には第三大臼歯と呼ばれます。奥歯のさらに奥に位置するため、正常に生えてきた場合にはしっかり噛む力を補ってくれます。
しかし、多くの人にとって親知らずはまっすぐ生えることが少なく、横向きや斜めに生えることが多いため、痛みや炎症の原因になりやすい歯です。そのため歯科医院では「親知らずは抜いた方が良い」と言われるケースも少なくありません。
一方で、必ずしもすべての親知らずを抜歯する必要があるわけではなく、状態によっては残して問題ないこともあります。では、どのような場合に抜歯が必要になるのでしょうか。
今回は、親知らずを抜くべきかという疑問に焦点を当て、抜歯のメリット・デメリットなどについて解説します。親知らずを抜くべきかお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
親知らずは抜くべきか

親知らず(第三大臼歯)は、10代後半〜20代前半に生えてくることの多い口の中の最も奥に位置する永久歯です。すべての人に生えるわけではなく、歯ぐきの中に埋まったまま完全には生えない埋伏歯もあり、抜歯の必要性は個人の状態によって異なります。
抜歯が必要とされる主な理由は、虫歯や歯周病のリスクが高いこと、炎症を繰り返すこと、隣の歯に悪影響を与えていることなどです。特に、横向きに生えている親知らずは、手前の歯を押して歯並びに影響を与えたり、歯根にダメージを与えたりすることがあります。
さらに、矯正治療の妨げになる場合や、噛み合わせが不安定になるケースでも、抜歯が検討されます。症状や将来的なリスクを歯科医師と相談しながら、納得のいく治療方針を選ぶことが大切です。
親知らずを抜くメリット

親知らずは、必ずしも抜かなければならない歯ではありませんが、生え方や口腔内の状態によっては抜歯が検討されることがあります。ここでは、抜歯することで得られるメリットについて解説します。
清掃性が向上する
お口の奥に位置する親知らずは歯ブラシが届きにくく、汚れが溜まりやすいため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。抜歯することで清掃性が改善され、お口の中を清潔に保ちやすくなります。
隣の歯への悪影響を防げる
親知らずが斜めや横向きに生えていると、隣の歯を押して歯並びが乱れたり、歯根にダメージを与えたりすることがあります。抜歯によって、こうしたトラブルを未然に防ぐことができます。
矯正治療の効果が高まる
歯列矯正を予定している方にとって、親知らずの存在は歯の移動を妨げる要因になります。抜歯することで、矯正治療の効果が高まり、歯列の安定にも貢献します。
智歯周囲炎などの慢性的な炎症から解放される
親知らずの周囲に炎症が起きる智歯周囲炎は、腫れや痛みを繰り返すことがあり、食事や会話に支障をきたすこともあります。抜歯によって、こうした不快な症状から解放されることで、生活の質が向上するでしょう。
将来的なトラブルの予防につながる
親知らずは、今は問題がなくても将来的にトラブルを引き起こす可能性があります。抜歯によって、将来の虫歯・炎症・歯並びの乱れなどを予防できる点も大きなメリットです。
親知らずを抜くデメリット

親知らずの抜歯には多くのメリットがありますが、処置に伴うデメリットや注意点も存在します。抜歯を検討する際は、メリットだけでなくデメリットや注意点についても理解しておくことが大切です。
手術に伴うリスクがある
親知らずの抜歯は、通常の虫歯治療などとは異なり、外科的な手術を伴います。特に骨の中に埋まっている埋伏歯の場合は、周囲の組織や神経に近接していることが多く、術中に神経を傷つけるリスクがあります。
また、手術中や術後に感染症を起こす可能性もあり、抗生物質の服用が必要になるケースもあります。さらに、隣接する歯や歯根が損傷する可能性もあるため、経験豊富な歯科医師による慎重な施術が求められます。
一時的に腫れや痛みが出ることがある
抜歯後は、患部が腫れたり痛みを伴ったりすることが一般的です。腫れや痛みの程度には個人差がありますが、通常は数日から1週間ほど続きます。術後のケアが不十分な場合、症状が悪化したり、回復が遅れたりすることもあります。
冷やしたり鎮痛剤を服用したりして症状を緩和することは可能ですが、痛みが長引く場合には追加の診察や処置が必要になることもあるため、術後の経過観察が非常に重要です。
通院の負担がある
親知らずの抜歯には、通院の負担が伴います。術前・術後の通院が複数回必要になることもあり、時間的な負担も考慮する必要があります。事前に治療スケジュールを確認し、無理のない計画を立てることが大切です。
親知らずを抜歯するタイミング

親知らずの抜歯は、症状が出てから慌てて行うものではなく、事前に適切なタイミングを見極めることが重要です。抜歯の時期によって、術後の回復やリスクの程度が大きく変わるため、歯科医師との相談のもとで計画的に進めることが望まれます。
20代前半が理想的な時期
親知らずの抜歯は、骨が柔らかく治癒力の高い20代前半に行うのが理想とされています。この時期は、歯根の形成が完了している一方で、骨がまだ柔軟なため、抜歯後の腫れや痛みが軽く、回復も早い傾向があります。
将来的なトラブルを予防する目的でも、違和感がある場合は早めの処置が勧められます。
炎症が落ち着いている時期を選ぶ
親知らず周囲に炎症がある状態では、麻酔が効きづらく、抜歯中の痛みや術後の腫れが強くなることがあります。そのため、炎症が強い場合はまず抗生剤などで症状を抑え、落ち着いてから抜歯を行うのが一般的です。急性期の抜歯は避け、安定した状態での処置が望まれます。
親知らずを抜かずに様子をみるケース

親知らずは必ず抜かなければならないわけではありません。生え方や口腔内の状態によっては、抜歯せずに経過観察を選ぶことも可能です。歯科医師による診断のもと、抜歯以外の選択肢を検討することは、患者さんの安心にもつながります。
正常に生えていて問題がない場合
親知らずがまっすぐ生えており、上下の歯がしっかり噛み合っている場合は、抜歯の必要はありません。痛みや腫れがなく、歯ブラシが届いて清掃ができている状態であれば、経過観察を行います。
症状が一時的で薬で改善する場合
歯ぐきの腫れや軽度の痛みがある場合でも、抗生剤や鎮痛薬で症状が改善することがあります。このようなケースでは、すぐに抜歯をせず、炎症が落ち着くまで様子を見るという選択も可能です。
ただし、繰り返すようであれば抜歯が検討されます。
高齢者や持病がある方の場合
高齢者や全身疾患を抱えている方の場合、抜歯による身体的負担や感染リスクを考慮し、抜歯を避ける判断がされることもあります。特に、親知らずが深く埋まっていて症状が出ていない場合は、無理に抜かずに経過観察を選ぶことが一般的です。
経過観察をする場合の注意点

親知らずをすぐに抜かず、様子を見るという選択をする場合は、定期的に歯科検診を受けることがとても重要です。
一般的には、半年から1年に1回のペースで歯科医院を受診し、親知らずや周囲の歯ぐきの状態を確認することが推奨されます。これにより、虫歯や歯肉炎などのトラブルを早期に発見し、適切な対応につなげることができます。
診察では、レントゲン撮影を行い、親知らずの生え方や隣接する歯への影響を確認するのが一般的です。特に、斜めに生えている場合や埋伏している場合は、定期的に画像診断が行われます。
もし痛みや腫れなどの異常が現れた場合は、すぐに歯科医師に相談することが大切です。早めに対応することで症状の悪化を防ぎ、結果的に抜歯を避けられる可能性もあります。
まとめ

親知らずは必ずしも抜かなければならないというものではありません。親知らずの抜歯の必要性は、個々のお口の状態などによって異なります。痛みがある場合や、歯並びや隣接する歯に悪影響を及ぼしている場合は、抜歯が検討されることが多いでしょう。
抜歯のメリットには、炎症や感染のリスクを減らせること、他の歯への負担を軽減できることが挙げられます。
一方で、手術に伴う腫れや痛み、感染の可能性など、デメリットも存在することを知っておく必要があります。
一般的には若いうちに親知らずの抜歯を行ったほうが回復が早く、リスクも少ないとされていますが、症状が出ていない場合には経過観察となるケースも多いです。
最終的な判断は、患者さんの健康状態やライフスタイル、将来的なリスクを踏まえたうえで、歯科医師と十分に相談して決定することが大切です。
親知らずを抜くべきかお悩みの方は、松山市余戸、伊予鉄郡中線「余戸駅」より徒歩12分にある歯医者「おひさま歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯治療に限らず、さまざまなお口のお悩みに対応し、患者様一人ひとりに寄り添った歯科医療で健康維持に努めております。