小児歯科
お子様の歯を虫歯から生涯守るために
虫歯を作らないために本当に必要な「たった3つの習慣」

私たちおひさま歯科クリニックが、お子様の歯の健康を願う保護者の皆様にまず一番にお伝えしたいこと。
それは、お子様の歯を守るために本当に大切なことは、ご家庭での日々の「習慣」にあるという事実です。高価な歯磨き粉や特別な治療法を探す前に、まずは基本となる「3つの習慣」を見直してみませんか。
習慣1:飲食回数を決めること(一番重要です)
お子様を虫歯から守るために、実は大切なのが「飲食の回数と時間」を管理することです。
なぜ「ちょこちょこ食べ」がいけないのか
私たちのお口の中は食事をすると、食べ物に含まれる糖を虫歯菌が分解して「酸」を作り出すため、「酸性」の状態になります。この酸が歯の表面を溶かし始めます。
しかし、健康なお口には「唾液(だえき)」という素晴らしい修復機能があります。
唾液が酸を洗い流し、お口の中を「中性」に戻し、溶けかけた歯の表面を修復してくれるのです(再石灰化)。

規則正しく食事をとっていれば、お口の中が酸性になる時間は短く、唾液が歯を修復するための時間が十分にあります。そのため、虫歯になりにくいのです。

ところが、「お菓子をちょこちょこ食べている」とどうなるでしょうか。
お口の中が中性に戻る時間がほとんどなく、一日中「酸性」の状態が続いてしまいます。
これでは、唾液が歯を修復する間もなく、歯は溶かされ続け、あっという間に虫歯になってしまいます。
「飲食」としてカウントすべきもの
ここで注意していただきたいのは、「飲食」とはご飯やおやつだけではないということです。
「水、お茶、牛乳以外を飲むこと」もすべて「飲食1回」としてカウントすべきだと考えています。

例えば以下のような習慣はありませんか?
- 移動中の車で、ぐずらないようにアメやラムネをあげる
- お風呂あがりに、ジュースやイオン飲料を飲ませる
- 遊びながら、おせんべいやクッキーをつまんでいる
- 脱水予防のために、スポーツ飲料を水代わりに与えている
これらはすべて、お口の中を酸性にする立派な「飲食」です。
特に注意してほしいこと
3歳以下のお子様に日常的に砂糖を与えていると、「砂糖中毒」のような状態になり、やめられなくなることがあります。特にジュースなどの甘い飲み物は、お口全体に糖分が行き渡りやすく、そのまま虫歯に直結しやすいため、注意が必要です。
習慣2:フッ素を毎日使うこと

飲食の回数を管理することと並んで強力な予防法が、歯の質そのものを強くする「フッ素」の活用です。ご家庭でも、毎日フッ素を取り入れる習慣をつけましょう。
年齢別のフッ素使用方法
- 3歳以下のお子様(うがいが難しい場合)
「フッ素ジェル」やフッ素入りの歯磨き粉を、歯ブラシにつけて歯全体に塗り広げます。 - 3歳以上のお子様(ぶくぶくうがいができる場合)
就寝前などの仕上げ磨きの後に、「フッ素洗口液」でぶくぶくうがいをすることをお勧めします。
習慣3:小学校3年生までは仕上げ磨きをすること

お子様が自分で歯磨きをできるようになっても、それだけで安心はできません。
小さなお子様が自分の歯のすべての面を完璧に磨き上げるのは、非常に難しいことです。
なぜ小学校3年生まで?
- 小学校に入学する6歳前後は、「6歳臼歯」という非常に重要な永久歯が奥に生えてきます。
この生え始めの永久歯は、まだ歯の質が未熟で柔らかく、溝も深いため、人生で虫歯になりやすい歯の一つです。
お子様の大切な永久歯を虫歯から守るためにも、少なくとも小学校3年生(9歳頃)までは、保護者様による「仕上げ磨き」を続けてあげてください。
もしお子様が嫌がる場合は
- 仕上げ磨きを嫌がるお子様も、もちろんいらっしゃいます。
そのような場合は、無理やり押さえつけて完璧を目指すよりも、例えば「抑制磨き」という方法で、お子様とコミュニケーションを取りながら安全に磨く方法もあります。
当院では、そのようなご家庭での工夫や具体的な磨き方のコツも、丁寧にアドバイスします。
歯科医院で行う専門的な予防処置
ご家庭での「3つの習慣」を基本としながら、さらに虫歯のリスクを減らすために、歯科医院での専門的な予防処置を定期的に受けることをお勧めします。
当院では、お子様の予防システムとして以下の処置に力を入れています。
1. 高濃度フッ化物塗布

ご家庭で使用するフッ素よりも、さらに高濃度のフッ化物を、歯科医師や歯科衛生士が歯の表面に直接塗布します。これにより、歯の質を強力にコーティングし、酸に溶けにくい丈夫な歯を作ります。
定期的に(3~6ヶ月に一度)行うことで、虫歯予防の効果を飛躍的に高めることができます。
2. シーラント(奥歯の溝の予防充填)

生えたばかりの奥歯、特に「6歳臼歯」は、溝が非常に深くて複雑な形をしています。この溝は、歯ブラシの毛先が届きにくく、汚れが溜まりやすいため、お子様の歯の中で虫歯になりやすい場所です。
シーラントとは、この虫歯になりやすい奥歯の溝を、あらかじめフッ素を含んだ樹脂で埋めてしまい、虫歯菌の侵入を防ぐ予防処置です。
歯を削ることは一切なく、痛みもありません。特にお子様にとっては、非常に効果の高い予防法です。
そもそもなぜ乳歯の健康が大切なのか
「乳歯はいずれ生え変わるから、虫歯になっても大丈夫」と、もしお考えでしたら、それは大きな誤解です。乳歯には、お子様の健やかな成長のために、非常に重要な役割がいくつもあります。

1. 永久歯が並ぶための場所を確保する
乳歯は、後から生えてくる永久歯が正しい位置にきちんと並ぶためのスペースを確保するという、重要な役目を担っています。
虫歯で乳歯が早く抜けてしまうと、その隙間に隣の歯が倒れ込み、永久歯が生える場所がなくなり、将来の歯並びが悪くなる大きな原因となります。
2. 顎の健やかな成長を助ける
乳歯でしっかり噛むことが、顎の骨や筋肉に適切な刺激を与え、健やかな成長を促します。
虫歯が痛くてよく噛めない状態が続くと、顎の成長が不十分になることがあります。
3. 永久歯の質や健康に影響を及ぼす
乳歯の虫歯が進行して根の先まで達すると、そのすぐ下で成長している永久歯の芽に悪影響を及ぼし、永久歯が変色したり、形のいびつな弱い歯になってしまうことがあります。
乳歯の健康を守ることは、お子様の「今」だけでなく、輝かしい「未来」の健康な永久歯を守ることに直接繋がっているのです。
お子様の「歯医者さん好き」を育むために
私たちがどれほど優れた予防システムを用意していても、お子様ご本人が「歯医者さんが怖い」と感じてしまえば、定期的に通うことは難しくなってしまいます。
お子様が安心して、自ら進んで通える場所であること。それこそが、予防歯科を成功させるための大前提であると考えています。
お子様の心に寄り添う歯科医院との「出会い」

初めて歯科医院に来るお子様や、過去に怖い思いをしたことがあるお子様に対して、初日から無理に治療を行うことはありません。
まずは、診療台に座ってみる、お口を開ける練習をする、器具を触ってみる、お口に風や水をかける練習をするといったトレーニングから始めます。
お子様が「歯医者さんは楽しい場所だ」と感じてくれるような、ポジティブな経験を積み重ねてもらうことを何よりも大切にしています。
ご家族で安心できる「ファミリー診察室」

当院には、ご家族皆様で一緒に入っていただける、プライバシーに配慮した個室の「ファミリー診察室」を用意しています。
お子様が喜んで横になれるような楽しいデザインの診療ベッドも用意しており、恐怖心を感じることなく、リラックスして診察を受けられるよう工夫しています。
保護者様がすぐそばで見守る中で、安心して治療を受けていただくことができます。
お子様の体を考えた低線量レントゲン

精密な検査のためにレントゲン撮影が必要な場合でも、ご安心ください。
当院では、従来のレントゲンに比べて被ばく線量を大幅に抑えることができる、デジタルX線システムを導入しています。お子様の体への負担を最小限に考慮した、安全な検査を心がけています。

089-972-0135