噛み合わせ治療・顎関節症治療
噛み合わせは全身に影響があります
「口を開け閉めすると、顎のあたりでカクカクと音がする」
「原因はわからないけれど、慢性的な肩こりや頭痛に悩まされている」
「朝起きた時に、顎が疲れている感じがする」
一見すると、歯とは直接関係がないように思えるこれらの体の不調。
様々な医療機関を受診しても、はっきりとした原因が見つからずにお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。
その不調の原因は、もしかしたらお口の中の「噛み合わせのズレ」にある可能性があります。
噛み合わせとは、単に食べ物をすり潰すためだけの機能ではありません。
上下の歯が正しく噛み合うことで、顎の位置が安定し頭の重さを支え、ひいては全身のバランスを保つための非常に重要な役割を担っているのです。
ほんのわずかな噛み合わせのズレが、ドミノ倒しのように顎の関節や周りの筋肉、そして全身の骨格にまで影響を及ぼすことがあります。
おひさま歯科クリニックでは、日本顎咬合学会の認定医である院長が専門的な知識と豊富な経験に基づき、この複雑で繊細な噛み合わせの問題に真摯に向き合います。
もし、原因のわからない体の不調でお悩みでしたら一度、お口の中にその原因を探ってみるという視点を持ってみてはいかがでしょうか。
噛み合わせの不調和が引き起こす様々な問題
噛み合わせのバランスが崩れた状態を放置すると、お口の中だけでなく顎の関節、さらには全身にまで様々な望ましくない症状が現れることがあります。
お口の中に起こる問題

歯への過剰な負担
正しい噛み合わせでは、すべての歯に均等に力が分散されます。
しかし、バランスが崩れて特定の歯だけが強く当たるようになるとその歯には毎日、食事のたびに過剰な力がかかり続けます。
その結果、健康な歯であっても欠けたり、表面がすり減ったりひどい場合にはヒビが入ったり、割れてしまったりすることがあります。
歯周病の悪化
歯に不自然な横方向の力がかかり続けると、歯を支えている顎の骨(歯槽骨)にダメージを与え歯周病の進行を早めてしまうことがあります。
丁寧に歯磨きをしていても、歯周病がなかなか改善しないという方は噛み合わせに問題が隠れている可能性があります。
詰め物・被せ物の破損や脱離
せっかく治療した詰め物や被せ物が、頻繁に取れたり欠けたりする。
これも、噛み合わせのバランスが悪くその修復物に過剰な力が集中しているサインかもしれません。
顎関節への影響(顎関節症)

噛み合わせのズレは、顎の関節(顎関節)に直接的な負担をかけ様々な症状を引き起こす「顎関節症」の大きな原因の一つとなります。
顎関節症には、主に以下のような症状があります。
-
顎の痛み
- 口を開け閉めする時や、食事の際に耳の前あたりにある顎関節や、頬の筋肉が痛む
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口が開きにくい(開口障害)
- 正常な状態では指が縦に3本入る程度に口が開きますが、指が2本も入らないなど口がスムーズに開けられなくなる
-
カクカク、ジャリジャリ音がする(関節雑音)
- 口を開け閉めする際に、関節の部分で音がする
これらの症状は、一つだけが現れることもあれば複数が同時に現れることもあります。
全身への影響

お口の問題が、なぜ全身にまで影響するのか不思議に思われるかもしれません。
しかし、頭と下顎は多くの筋肉によって、首や肩と繋がっています。
噛み合わせがズレることで、顎を動かす筋肉は常に緊張した状態になります。
この顎周りの筋肉の過緊張が、首、肩、そして背中の筋肉にまで波及し慢性的な肩こりや首のこり、さらには筋緊張性の頭痛を引き起こすことがあるのです。
また、噛み合わせは体の重心のバランスとも関係していると言われています。
噛み合わせのズレが、全身の骨格の歪みの一因となる可能性も指摘されています。
その他にも、原因不明のめまいや耳鳴りといった症状の背景に噛み合わせの問題が関わっている場合もあります。
なぜ噛み合わせは悪くなってしまうのか
理想的な噛み合わせは、様々な後天的な要因によって徐々にバランスを崩していきます。
歯並びの乱れ(不正咬合)
生まれつきの歯並びの乱れは、噛み合わせの不調和に直結します。
歯がガタガタに生えていたり、出っ歯や受け口であったりすると上下の歯が正しく噛み合うことができません。
歯を失ったまま放置している
歯が抜けたままの状態で長い間放置していると、そのスペースに隣の歯が倒れ込んできたり噛み合う相手の歯が伸びてきたりして、全体の噛み合わせの高さやバランスが大きく崩れてしまいます。
高さや形が合っていない詰め物・被せ物
過去に治療した詰め物や被せ物の高さが、ほんのわずかに高いあるいは低いだけでも、それは噛み合わせのズレの原因となります。
お口の中の感覚は非常に繊細で、ミクロン単位の高さの違いも顎や筋肉は敏感に察知します。
日常生活の中の癖(ブラキシズムなど)
無意識のうちに行っている癖も、噛み合わせを悪化させる大きな要因です。
食いしばり・歯ぎしり(ブラキシズム)
日中や就寝中に、無意識に歯を強く噛みしめたりこすり合わせたりする癖。
歯や顎に、食事の時とは比べ物にならないほどの強い力をかけてしまいます。
その他の悪い癖
- 頬杖をつく
- 片側の歯だけで噛む癖
- うつ伏せで寝る習慣
これらの癖は、顎や歯に不自然な方向から力を加え続け噛み合わせのバランスを崩す原因となります。
おひさま歯科クリニックの噛み合わせ・顎関節症治療
当院では、この複雑で多角的な噛み合わせの問題に対し専門的な知識と精密な検査に基づいた総合的なアプローチで向き合います。
こだわり1:日本顎咬合学会認定医による総合的な診断

院長は、噛み合わせの分野における専門的な知識と技術を認められた日本顎咬合学会の認定医です。
私たちは、噛み合わせの問題を単に歯の高さや形の問題としてだけ捉えることはありません。
歯一本一本の状態、歯並び全体、顎関節の動き、そして顎や首周りの筋肉の状態さらには患者様の生活習慣やストレスの状況まで。
様々な角度から原因を追求し、お口の中だけでなく全身の健康を見据えた総合的な診断を行うことを何よりも大切にしています。
こだわり2:精密な検査による的確な現状把握
診断の精度を高めるため、様々な検査を組み合わせて行います。
問診
まずは、患者様がどのような症状でいつから、どのようにお困りなのかを時間をかけて詳しくお伺いします。
日常生活の中の癖や、お仕事の内容、ストレスの有無なども重要な情報となります。
視診・触診

お口の中を拝見し、歯のすり減り具合や詰め物・被せ物の状態、舌や頬の粘膜の圧痕などを確認します。
また、実際にお口を開け閉めしていただき顎の動きのスムーズさや、痛みの有無、筋肉の緊張度合いなどを触って確かめます。
咬合紙によるチェック

色の付いた薄い紙(咬合紙)を噛んでいただき、歯に付着した色の濃さや広がりからどの歯が、どのくらいの強さで当たっているのかを視覚的に確認します。
レントゲン・CT検査

歯や、顎の骨、顎関節の形などに器質的な異常がないかを画像上で確認します。
電子顎関節振動分析装置
顎関節の動きや、開け閉めの際に生じる音(関節雑音)を専用の装置で記録・分析します。
これにより、顎関節の状態を術者の感覚だけでなく、客観的なデータとして評価することができより精密な診断に繋がります。
具体的な治療方法について
精密な検査と診断の結果に基づき、患者様一人ひとりの原因と症状に合わせて以下のような治療法を単独で、あるいは組み合わせて行います。
1. スプリント療法(マウスピース療法)
顎関節症の治療や、歯ぎしり・食いしばりの症状緩和において、まず検討されることの多い効果の高い治療法です。
患者様専用のオーダーメイドのマウスピース(スプリント、あるいはナイトガード)を作製し主に就寝中に装着していただきます。
このスプリントには、いくつかの重要な役割があります
- 歯ぎしりや食いしばりの強い力から、歯や修復物を守る
- 噛み合わせの高さをわずかに変えることで、顎関節への負担を軽減し顎をリラックスした状態に導く
- 顎周りの筋肉の緊張を和らげ、痛みなどの症状を緩和する
装着するだけで、つらい症状が大きく改善されることも少なくありません。
2. 噛み合わせの調整(咬合調整)
検査の結果、明らかに特定の歯だけが強く当たっているなど噛み合わせのバランスを崩す原因となっている部分が特定できた場合に、その部分をごくわずかに削って全体のバランスを整える方法です。
削ると言っても、歯の表面のエナメル質をミクロン単位で調整する非常に繊細な処置です。
歯の健康を損なうことはありませんが、どこを、どのくらい削るかという判断には極めて高度な知識と技術が求められます。
3. 矯正治療
歯並びそのものが、噛み合わせの不調和の根本的な原因である場合には矯正治療が最も効果的な解決策となります。
歯を正しい位置へと動かし、上下の歯が安定して噛み合う理想的な噛み合わせを再構築することで、症状の根本的な改善を目指します。
4. 補綴(ほてつ)治療
高さや形が合っていない古い詰め物や被せ物が原因で、噛み合わせがズレている場合にはそれらを精密に作り直すことで正しい噛み合わせへと導きます。
当院のデジタルシステム(iTeroやミリングマシン)を駆使することで、機能的にも審美的にも優れた精度の高い修復物を作製することが可能です。
5. ボトックス治療
咬筋(こうきん)と呼ばれる顎を動かす筋肉が過度に発達している場合や、強い食いしばり・歯ぎしりが症状の大きな要因となっている場合には、ボトックス注射が有効です。
筋肉の働きを一時的に和らげることで、顎関節や歯への過度な負担を軽減し、痛みやだるさの改善につながります。
効果は数か月持続し、繰り返し行うことでより安定した改善が得られるケースもあります。
6.生活習慣の指導
治療と並行して、噛み合わせに悪影響を及ぼしている可能性のある日常生活の中の癖(頬杖や片側噛みなど)を患者様ご自身に自覚していただき、改善していくための指導も行います。
治療と並行して、噛み合わせに悪影響を及ぼしている可能性のある日常生活の中の癖(頬杖や片側噛みなど)を患者様ご自身に自覚していただき、改善していくための指導も行います。
噛み合わせの治療は、時に長い時間を要することもあります。
私たちは、患者様と二人三脚で根気強く、症状の改善に取り組んでまいります。

089-972-0135