089-972-0135ボトックス治療
歯科医院で行う新しいお悩みの解決策
「ボトックス」という言葉を聞くと、多くの方は美容皮膚科などで行われるシワの改善といった美容医療を思い浮かべるかもしれません。
そのため「歯科医院でボトックス治療？」と少し意外に感じられる方もいらっしゃるかと思います。
しかし、歯科の領域で行うボトックス治療は単に美しさを追求するだけでなく、「歯ぎしり」や「食いしばり」、あるいは「顎関節症」といったお口の機能に関わる深刻な問題を解決するための非常に有効な選択肢の一つなのです。
これらの症状の多くは、お口周りの「筋肉の過剰な緊張」に起因します。
ボトックス治療は、この強すぎる筋肉の働きを薬の力で和らげることで、様々なつらい症状を緩和へと導きます。
おひさま歯科クリニックでは、歯や顎、そして顔周りの筋肉や神経の構造を誰よりも深く理解している歯科医師がその専門的な知識と技術に基づき、安全で的確なボトックス治療を実践しています。
長年のお悩みを、新しいアプローチで解決してみませんか。
歯科におけるボトックス治療
まずは、歯科医院で行うボトックス治療の基本的な仕組みとその意義についてご説明します。
ボトックスの作用の仕組み
ボトックスとは、ボツリヌス菌から抽出した「ボツリヌストキシン」というタンパク質の一種を人体に安全な形で医薬品として精製したものです。
決して、菌そのものを注射するわけではなく、その安全性は世界中の医療現場で確立されています。
ボトックスの主な作用は「筋肉の働きを一時的に弱める」ことです。
神経の末端から、筋肉へ「動け」という指令を出すアセチルコリンという神経伝達物質の放出を抑制します。
これにより、指令が伝わりにくくなった筋肉は過剰な緊張から解放されリラックスした状態になるのです。
この作用は、時間の経過とともにゆっくりと元の状態に戻っていきます。
なぜ歯科医師がボトックス治療を行うのか
歯ぎしりや食いしばりの原因となる、下顎を動かすための強力な筋肉。
それは、頬骨の下から下顎にかけて存在する「咬筋（こうきん）」やこめかみ付近に広がる「側頭筋（そくとうきん）」です。
これらの筋肉の位置や働き、そしてその周辺に存在する神経や血管の走行といった解剖学的な構造はまさしく私たち歯科医師が日々の診療で向き合っている専門とする領域です。
お口周りの構造を知り尽くしているからこそ、安全にそして効果的に、目的とする筋肉へ的確にアプローチすることができるのです。
また、歯ぎしりや顎の痛みといった症状は歯並びや噛み合わせの状態と非常に深く関わっています。
単に筋肉の緊張を和らげるだけでなく、その根本原因となっている可能性のある噛み合わせの問題までを総合的に診断し、スプリント療法（マウスピース）や矯正治療といった、他の治療法と組み合わせた多角的なアプローチを考えられること。
それこそが、歯科医師がボトックス治療を行う意義であると私たちは考えています。
ボトックス治療で改善が期待できる症状
当院のボトックス治療は、主に以下のような症状の改善を目的として行います。
1. 歯ぎしり・食いしばり（ブラキシズム）の緩和
「朝起きると、顎が疲れているあるいは痛い」
「家族から、夜中の歯ぎしりを指摘されたことがある」
「歯がすり減ったり、欠けたりしやすい」
これらは、睡眠中などに無意識のうちに歯を強くこすり合わせたり、食いしばったりする「ブラキシズム」のサインです。
この時、歯や顎にかかる力は食事の際の何倍、時には10倍以上にもなると言われており、歯や顎関節、そして修復物に深刻なダメージを与え続けます。
2. 顎関節症の症状緩和
「口を開け閉めすると、顎の関節が痛む」
「硬いものが食べにくくなった」
このような顎関節症の症状も、その原因の一つに咬筋をはじめとする顎周りの筋肉の過緊張があります。
ボトックス治療は、この筋肉の緊張を直接的に緩和させるため顎関節への負担を軽減し、つらい痛みを和らげる効果が期待できます。
3. 咬筋の発達によるエラの張りの改善
日常的に食いしばる癖がある方は、咬筋が常に筋力トレーニングをしているような状態になり過剰に発達して、外見的にもエラが張って見えることがあります。
この発達しすぎた咬筋にボトックスを注射し、筋肉の働きをリラックスさせることで筋肉の厚みが少しずつ減っていきます。
その結果、フェイスラインがすっきりとシャープになり小顔に見えるという審美的な改善も期待できます。
4. ガミースマイルの改善
「笑った時に、上の歯茎が大きく見えてしまう」
このような状態を「ガミースマイル」と呼びます。
原因はいくつか考えられますが、その一つに上唇を上に引き上げる筋肉（上唇挙筋群）の働きが強すぎることが挙げられます。
この筋肉に、ごく少量のボトックスを注射することで唇が過剰に上がりすぎるのを抑え、笑った時の歯茎の露出を自然な範囲に改善することができます。
おひさま歯科クリニックのボトックス治療の流れ
当院では、患者様に安心して治療を受けていただくため丁寧な診査診断と、安全性を重視した施術を徹底しています。
カウンセリング・診査診断
まず、患者様がどのような症状でお悩みなのかどのような改善を希望されているのかを詳しくお伺いします。
その後、お口の中の状態や噛み合わせ、そして対象となる筋肉の張り具合や動きなどを専門的な視点から丁寧に診察します。
この診察に基づき、ボトックス治療がその患者様にとって本当に適した治療法であるかを的確に判断します。
治療計画のご説明
診査診断の結果を基に、ボトックス治療の効果、作用が持続する期間、そして考えられる副作用や施術後の注意点などについてご納得いただけるまで詳しくご説明します。
必要な薬剤の量や、それに応じた費用についても治療を開始する前に明確に提示いたします。
施術
施術当日は、まず注入する部位を正確にデザイン（マーキング）し痛みを和らげるために、保冷剤などで十分に冷却します。
当院では、注射に伴う痛みを限に抑えるため非常に細い専用の注射針を使用しています。
マーキングした部位の筋肉に、適切な量を慎重に、そして正確に注入していきます。
施術そのものにかかる時間は、部位にもよりますが5分から10分程度と非常に短時間で終了します。
施術後
施術後に、腫れや痛みが長引くことはほとんどなく基本的にはすぐに日常生活に戻ることができます。
ただし、薬剤の安定した効果を得るために施術当日の飲酒や、激しい運動、注入部位への強いマッサージなど血行が良くなる行為は控えていただくようお願いしています。
治療後の経過と知っておいていただきたいこと
効果の発現と作用が持続する期間
ボトックス治療の効果は、施術後すぐに現れるものではありません。
通常、施術後2～3日から徐々に効果が現れ始め約2週間で安定します。
咬筋の発達を抑える効果などは、1ヶ月ほどかけてより実感できるようになります。
効果が持続する期間には個人差がありますが、一般的には3ヶ月から6ヶ月程度が目安となります。
作用がなくなると、筋肉の働きはゆっくりと元の状態に戻っていきます。
そのため、効果を維持するためには定期的に再度の注入を行うことが必要となります。
継続して治療を行うことで、効果の持続期間が長くなる傾向もあります。
考えられる副作用について
ボトックス治療は、安全性が高く体への負担が少ない治療法ですが、稀に以下のような副作用が起こる可能性があります。
一般的な副作用
- 内出血・腫れ・赤み
注射部位に小さな内出血やわずかな腫れ、赤みが出ることがありますが、これらは通常数日から1週間程度で自然に消えていきます - 違和感・だるさ
施術後、一時的に筋肉にだるさを感じたり硬いものが少し噛みにくく感じたりすることがありますが、これも時間と共に慣れていきます - 表情のこわばり
これは、薬剤が目的以外の筋肉にごくわずかに影響した場合に起こる可能性があります。当院では、解剖学的な知識に基づきこのようなことが起こらないよう細心の注意を払って施術を行います
万が一、施術後に何か気になる症状が現れた場合にはすぐにご連絡ください。
責任をもって対応いたします。
ボトックス治療を受けられない方
安全性の観点から、以下に該当する方はボトックス治療を受けることができません。
治療対象外となる方
- 妊娠中、授乳中の方、あるいは妊娠の可能性のある方
- 過去に、ボツリヌス毒素製剤でアレルギー反応を起こしたことのある方
- 特定の神経筋疾患（重症筋無力症、筋萎縮性側索硬化症など）をお持ちの方
- その他、医師が不適当と判断した場合
カウンセリングの際に、全身の健康状態について詳しくお伺いさせていただきます。